プロジェクトノート
- 健康増進支援サービス事業
自立体力トレーニングの実証実験でタイに行ってきました。
ハタチの健康増進支援サービス「自立体力プログラム」が、タイの健康づくりに役立つか?
を検証するため、昨年11月より実証実験がスタートしました。
実際にタイへ訪問し、タイの高齢者を対象にした健康づくり教室の運営サポートを行っています。
実証実験では、高齢者に2週間に1回、3ヶ月間“筋トレ”を実施してもらうとどう変化するか?
を、体力測定などを行い検証していきます。
なので、ここ最近ハタチのスタッフは入れ替わりでタイへと頻繁に訪問中。
先日ちょうど出張してきましたので、その様子をレポートします (^_^)
高齢化問題を抱えるタイ王国
タイ人の平均寿命はどのくらいだと思いますか?
日本人と比べると、約10年も短いんです。
実はタイという国は、東南アジアの中で最も高齢化が進んでいる国です。その進行スピードは速く、
このままでは介護が必要となる高齢者が増え、医療介護費の増大により国の財政を圧迫することが懸念されています。
そのため、そうなる前の予防が重要視されはじめ、健康長寿国の日本のノウハウが注目されているのです。
そんな想いで始まったこのプロジェクトは、国際協力機構(JICA)の採択を受け、
タイの保健省や大学と協力しながら、最終的にはタイでの普及を目指しています。
実施の経緯としては、JICAの中小企業海外展開支援事業として採択されたことが始まり。
現在行っているのは、実証段階のパイロット事業と呼ばれるもの。
一言で言うと、「実際にやって試してみよう!」という取り組みです。
舞台は、ウドンタニ。
実証実験の舞台は、首都バンコクから飛行機で1時間ほどのウドンタニという北部の地域です。
私たちハタチは、静岡県西部の湖西市に会社があるのですが、このウドンタニという地域、静岡県に似た雰囲気の親近感を感じます。東京のような大都会!というわけではなく、イオンのような大きなショッピングモールもあれば、車で少し走ると補正されていない赤土の道が広がる風景を見ることもできます。
そこかしこに、放し飼いの犬や猫、畑には牛までいるのを見たときは驚きましたけれどね。(笑)
さすがに静岡県ではなかなかお目にかかれない光景です。
お寺が多い
タイは日本と同じ仏教の国で、お寺は本当にたくさんあります。
お寺の中には美しい金色の仏像があるんですよ~。このお寺には外にも!荘厳です。
今回の会場となる場所もお寺です。
朝8時になると、高齢者の方がぞくぞくと集まってきました。
近所に住んでいる高齢者は歩いてやってきます。
筋トレ教室がスタート!
この日の参加者は25人。出席率はいつも高いです。
まずは受付で血圧や体調確認の問診を行います。日本で行う時もそうですが、安全への配慮を一番大切にしています。運営するのは、「SSMマスター」と呼ばれる現地のスタッフで、タイで育成された、自立体力のスペシャリストです。
トレーニングのポイントも丁寧に教えます。参加者たちは実施するトレーニングの説明を熱心に聞いていました。
実施するのは、「自立体力トレーニング」。静岡大学と共同開発を行ったプログラムで、日本では効果があることが実証されています。
それぞれ動きの目的や、動き方、注意点を聞き、さぁ、みんなで動いてみましょう!
みんなで声だして、カウントしながらやっていきます。
掛け声は、ヌーン、ソーン、サーン、シー…(タイ語で1、2、3、4…)
SSMマスターやボランティアが、正しくできるようサポートします。
大変よくできました!
自立体力トレーニングの特徴は、自分の身体の重さを負荷にすることと、道具を使いながら遊び感覚で楽しくできるというところです。膝で小さいバランスボールをはさむトレーニング。床に寝てリングを使って行う腹筋リングなどなど。
タイの高齢者は、日本の高齢者よりも床に寝ることができる人が多い気がします。ベッドでなく、布団に寝る習慣だからかもしれないと、現地のボランティアから教えてもらいました。
途中、水分をとりながら約60分身体を動かしました!
終わると自然と拍手が起こる雰囲気は日本と同じです。達成感がみなさんから伝わってきて、ひとつのチーム感が生まれます。
最後に、自宅でも実施してもらうため宿題の説明です。
SSMマスター「今日習ったことを次回までにおうちでもやってきてね~。」
トレーニング教室終了!
お疲れ様でした~!と思いきや、恒例の写真撮影タイムです!(笑)
全員でパチリ (^_^)
このポーズ以外にも、2~3ポーズ撮るのがお決まり。
タイのみなさんは写真が好きなんだなぁと、そんなことも発見しました。
まとめ
タイの高齢者は健康のために筋力トレーニングという概念がなく、このような筋トレを初めてやる人がほとんどです。よくプロジェクトチーム内でも話しているんですが、そんなメソッドを初めて伝える、それってまさに“歴史的瞬間”ですよね。
参加者はこの教室にとても楽しみに、前向きに参加してくれているし、自宅でもまじめに取り組んでくれていて、「楽しい」「からだが軽くなった」「痛みが減った」など、嬉しい声も聞こえてきています。
現場にいると、効果が出ている!と肌で感じられて、とても嬉しいです。
何より、参加者が楽しいと思って参加してくれることが、本当にこの事業の成果だなぁと感じます。
最終的には「ハタチの健康増進支援サービスを実施するとタイの高齢者の体力があがる、最終的に介護医療費削減につながる」ということをデータに基づいてまとめ、タイ政府へプレゼンテーションをします。
全6回のトレーニング教室なんですが、効果が出ると確信しているので、どんな結果が得られるのか、今から楽しみです♪