プロジェクトノート

  • ウォーキング事業

ノルディック・ウォーク用ポールって何が違う?ポール選びに役立つポールの特徴について

21dfc3c87b5ce58c3fb3440bd7fa4f42e184a783.jpg

(最終更新:2019.09.03)

ノルディック・ウォークをはじめてみよう!と思ってみたものの、ウォーキングポールはどれを選んだらいいのか全然決められない...

その気持ち、とてもわかります。

今ではスポーツ用品店からホームセンターまで、様々なところでウォーキングポールが販売されています。
しかし、山登り用のトレッキングポールなどウォーキングポールに似たポールも沢山あって迷ってしまいますよね。

そもそもノルディック・ウォーク用のポールって何?山登り用と何が違うの?
そんな疑問が浮かんでくるでしょう。

そこで今回は、ノルディック・ウォークポールの特徴やポールの種類について語らせていただきます。
この記事の内容を踏まえるだけで、自分にピッタリなポール選びに少しは役立てられるはずです!

山登り用のポールやステッキとは何が違う?

まずはここですよね。形も似ているしほとんど同じでしょ、なんて思うかもしれません。

簡単に言ってしまうと、製品の設計思想の違いが大きな差となります。
だいぶ壮大なテーマが来ましたが、そう難しいことではないのでご心配なく。

山登り用のポールやステッキは「体重をかけたり、体を支えたりする用途」で使用されますが、ノルディック・ウォークポールは「平地で上半身を活用しながら歩くため」に使用します。

ノルディック・ウォークでは、グリップ(持ち手部分)を握り過ぎずリラックスして歩くということがとても重要。ポールを地面に突いて歩きますが、必要以上に体重をかける必要はありません。
上半身を使うと言うと「ポールで地面を力いっぱい押して、上半身をしっかり使わなきゃ!!」と考えてしまいがちですが、正しいフォームでリラックスして歩くことが効果的なウォーキングにつなげるポイントなんです。

ポールを地面に力いっぱい押し付けようとすれば、自然とグリップを握る手にも力が入ります。
グリップを力いっぱい握ってしまうと、手の血行が悪くなったり、無理に力が入り不自然に疲れてしまうんですね。
上半身の可動範囲も「力む」ことにより小さくなり、せっかくの運動効果が十分に得られなくなってしまいます。

bc7224f3cff6fecf6dd5a64e1019c74c7286426c.jpg

ノルディック・ウォーク用のポールは、グリップを握らなくても、手から落ちずにポールをコントロールしやすい設計となっています。手がリラックスした状態でもポールがコントロールしやすく、上半身の可動域を大きく使いながら、効果的な全身運動を行うことができるように工夫されています。

山登り用のポールでもノルディック・ウォークはできるの?

グリップやストラップの形状、地面と接触する先端ゴムなど、細かい部分を見比べても微妙な違いがあります。
それは、それぞれ用途に合わせた適切な設計がされているためです。
本来の目的と異なった用途では、道具も十分なポテンシャルを発揮することができませんよね。

山登り用のポールを使用してのウォーキングは、ノルディック・ウォークのように「二本のポールを持って歩く」という歩き方は再現できるかもしれません。
しかし、それによってノルディック・ウォークでの効果を十分に得ることは難しいでしょう。
バスケットボールでサッカーをするようなものです。

餅は餅屋。

是非、目的に合わせた適切な道具選びをしてみてください。

トレッキングポールをノルディック・ウォークに使用することをおススメしないのと同じく、その逆もまたしかり。

「ノルディック・ウォーク用のポールは登山でも使えますか?」

そんなお問い合わせをよくいただきますが、本格的な登山に使用することは絶対にやめましょう。

登山においては、そもそもの耐荷重性能も関わってきて命に係わる問題です。
実際に、製品安全協会で認定されている品質基準でも、山登り用のポールとウォーキングポールでは明確な違いが設けられていて、ウォーキングポールでは登山に耐えることはできません。

ポールに命を預けない 簡単なハイキング や 自然公園内の少しの山道 くらいであれば大丈夫。

ノルディック・ウォークポールは「歩く目的」で形状が異なる

ノルディック・ポールとトレッキングポールの違いがなんとなくわかったところで、少しマニアックな話になります。

ノルディック・ウォークのポールは、大きく区分すると「ディフェンシブタイプ」と「アグレッシブタイプ」の2つに分かれていることはご存知でしょうか?
歩き方スタイルによって、ポールの特徴が大きく異なってくるんです。

それぞれの歩き方の違いについては以前の記事でも触れているので、こちらも合わせてご覧ください。
【初心者向け】ポールを使ったノルディック・ウォークでの歩き方

53153e9deda285b0199a8446ebaabcc9acb0d55a.jpg

ディフェンシブスタイルは、手軽に効果的な運動を、健康の為やダイエット目的で行いたいという方向け。

13670a4c9ca2023ca9ab0e5beedd6fd640e3c67b.jpg

アグレッシブスタイルは、アスリート向けのトレーニングにも活用されるハードに取り組むことが可能なスタイル。


この2つのポール、着目すべきはグリップ、ストラップ、先端ゴムの形状の違い。

ディフェンシブ用ポールの特徴

ポールを垂直につき、安定感をもって平地を歩きやすい設計がされているポールです。

0f4bc69a6b0e5a8fb3cf909a05db266dc37d5d30.jpg

グリップ部分は握らなくても手から落ちづらく、ストラップは手の甲を覆うようにグリップの側面に取り付けられています。握力に自信が無くてもポールがコントロールしやすく、握った時の安定感があるようにボリュームのあるグリップ形状。

e1068253bf01d9decb2b434433e0f3474498ee2c.jpg

地面に接触するポール先端のゴムは、設置面積が広く安定性のある形状。
どの面でも地面をとらえることができるようになっているため、ポールの操作に慣れない初心者の方でも安心。

アグレッシブ用ポールの特徴

ポールを斜めに突いて、推進力を得ながら歩けるように設計がされています。

eaba495cfd62d5106f787bf1390f52d13c4edc7e.jpg

アグレッシブウォークでは、ストラップを手の腹で後方にプッシュして、グリップのキャッチ&リリースを繰り返して推進力を付けて歩いてきます。ストラップはグリップと手が一体となるように連結されており、推進力を損なうことなくポールへと力を加えていくことができます。
腕を振るときに邪魔になりにくいよう楕円形のスリムなグリップ形状で、指の引っ掛かりをサポートするアール形状が特徴的。

f78bb846646337d654dd2d561473be84a9c07d42.jpg

先端のゴムも歩き方に合わせて、斜めに地面に設置する形状になっています。
ブーツのような形状となっているため、ポールを地面に突く角度が限定される点がディフェンシブタイプと異なるポイント。

進行方向から見て後方側にゴムの先端を向けて歩いていきます。

目的に合わせて適切なポール選びを

このようにポールを見比べてみると、同じノルディック・ウォーク用のポールでも、形状が全然違うことがわかります。

ディフェンシブタイプとアグレッシブタイプ。
どちらのポールでも、それぞれの歩き方をある程度フォローすることはできますが、どちらも目的に合わせた専用の設計がされているので、適切なポール選びが望ましいです。

色々な種類がありますが、要点を押さえれば難しくはありません。
自分の歩き方に合わせて、グリップやストラップ、先端ゴムなどに着目しながら、ぴったりなポール選びに活かしてみてください。